ゲシュタルト療法のセッションは、しばしばダンスやジャズの即興に例えられます。クライアントとセラピストの間の関係性や、その場その瞬間の相互作用から生じる「対話」を通じて展開することに共通性があります。
ダンスやジャズでは、自身とパートナーやグループとの間の動きを感じ取り、呼応する形で進行します。同様に、ゲシュタルト療法では、セラピストはクライアントや状況からのフィードバックを基に、微細な調整を行いながらセッションを進めます。クライアントとセラピストの交流は、まさに創造的かつ即興的で、その結果新たな理解や洞察が生まれるのです。
ゲシュタルト療法は、身体感覚の探索に重きを置くソマティックセラピーの側面も持ち合わせており、身体を用いてファシリテーションを体感的に学ぶ方法が多く考案されています。
6月24日から27日まで、イギリスからジョン・レアリー・ジョイスを招聘し、ゲシュタルトコーチングのワークショップが東京で開催されます。ワークショップの2日目には、タンゴのダンスの動きを応用し、自身と他者の身体を「間主観的」に使う「実験」を通じてゲシュタルトアプローチを学ぶセッションが計画されています。ここでのダンスとは、華麗なステップを練習するということではなく、タンゴの最も基本的なステップ、つまり2人1組で歩くだけのものを指します(ただし、これが見た目以上に難しいことは言うまでもありません)。
リーダーシップとフォロワーシップのバランス、クライアントとの微細な交流による身体的共鳴のなど、セラピーの実践の絶妙なやり取りを、身体を使うことによって実際に体験していきます。これは、ゲシュタルトアプローチの実践における重要な考え方である「コンタクト」と「サポート」を身につける絶好の機会にもなるでしょう。
ジョンは、場の理論の現代的展開で有名なマルコム・パーレット博士や、Seven Eyed スーパービジョンを開発したピーター・ホーキンス博士らと共に、現代のイギリスやヨーロッパでゲシュタルトを広めてきた功績を持つ人物です。コーチングとセラピーは別物と認識されていますが、ゲシュタルトの理論や実践方法の考え方は共通しています。ゲシュタルトをコーチングに応用するという視点は、欧米ではゲシュタルトアプローチの主流の一つとなっています。
最近、ジョンはイギリスからオンラインでミニワークショップを行いました。このワークショップでは、タンゴとゲシュタルトの関係について解説しています。ぜひビデオをご覧ください。
ゲシュタルト・コーチング by ジョン・レアリー・ジョイス
2023年6月24 - 27日 @東京・虎ノ門
ゲシュタルトコーチング4Dayトレーニング&WS(2日間参加あり)
詳細はこちらです。
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