7月に入りました。いよいよ来週末から、2023年度学術大会が開催されます。対面方式の大会は実に4年ぶりとなります。
今年のテーマは、『グループ・プロセス ̶ 今、大事にしたいこと。みんな、会おうよ!語ろうよ!感じ合おうよ!響き合おうよ!』というものです。
この3年間、多くの痛みがありつつ仮想現実というまったく矛盾した言葉で表される世界を通り抜けてきた我々は、他者とのコンタクトの感覚をもう一度思い出し、サポートし合う”場”をいかに創っていけるのでしょうか。運営委員会一同、緊張とともにワクワクしています。
キーノートスピーカーであるピーター・コールは、エレイン・ケプナーやバド・フィーダーなどゲシュタルトグループセラピー開拓者の後を引き継ぐ、現代ゲシュタルト実践家の世界的なリーダーの一人です。ホットシート形式ではない、グループ全体をファシリテートしていくゲシュタルト療法の形を学んでいきましょう。
3日間の大会では、ピーターの基調講演に始まり、ゲシュタルトグループセラピーを体験していただけるワークショップが用意されています。
「ゲシュタルトグループセラピー アドバンストレーニング」のご案内
学術大会の後、7/18-19 に、『ゲシュタルトグループセラピー アドバンス トレーニング』を開催します。この2日間のワークショップでは、個人と人間関係の成長を促すためのゲシュタルト・グループ・セラピーを体験し、グループをファシリテートする方法を学んでいきます。
メンバーの一人ひとりが成長し発達していくためには、何をどうしていけばよいのか?グループプロセスの力を活用する理論と、ファシリテーションの実践=具体的な”やり方”を学ぶトレーニングです。
このトレーニングの参加者は、ゲシュタルトグループのファシリテーションにおける、以下のような重要な新しい概念とスキルを学びます:
グループプロセスの重要なポイントである「グループ全体」への介入方法とリフレクションの方法
感情的リーダー、反抗的リーダー、スケープゴートリーダー:グループメンバーによく見られる”役割”をうまく認識・対応し、効果的にワークを進めていくやり方
感情の流れとその処理、成長を促進する気づき:グループを継続させるために必要なスキル-参加者間の関係の破壊への対応と修復方法:愛着と共感、エンパワメントの促進
リーダーの”影”:グループの中のリーダーの無意識への対処、お互いに腹を割って話し合うことへの取り組み、安全にワークができる場を作る方法
ゲシュタルト・グループ・セラピーの手法は、セラピー以外の分野、あらゆるグループ(カップル、家族、地域コミュニティ、学校、職場、、、政治や行政なども)をファシリテートするために応用することができます。
グループセラピーをファシリテートしていくことにご興味がある方や、あらゆるグループをリードしていく立場の方、グループとのかかわりに課題や悩みを抱えていらっしゃる方など、幅広い分野からのご参加をお待ちしています。
ピーター・コール & デイジー・リーズ
今回のワークショップでは、「インナーサークル」と「ワークショップ参観」の二つの参加方式をご用意しました。
「インナーサークル」チケットは、ゲシュタルト・グループ・セラピー本体への参加いただくものです。2日間のグループでのゲシュタルト対話およびワークを実際に体験していただく参加方式です。一人ひとりがその場で感じていること、今グループで起こっていることなどを入り口に、自らの他者とのコンタクトのあり様を、個人内プロセス、対人プロセス、グループプロセスとして、リアルの場で実体験していきます。グループのメンバーは密接に関与し合い、深い洞察や意見を交換し合うことで、自らの癒しと成長を図ります。
「ワークショップ参観」チケットは、ワークショップへの参加はせず、ゲシュタルト・グループ・セラピーをプロセスの外側から観察していただくものです。インナーサークルでのグループのやり取りを観察し、どんなグループ・ダイナミクスが起こっているのか、それに対してグループファシリテーターはどんな介入をしていくのかを、じっくりと観察し学んでいきます。 ※お得な参加費設定となっております。
グループプロセスとは?
ゲシュタルト療法はフリッツ・パールズらによって開発されました。これは個人の変化に焦点を当てたものです。一方、場の理論の提唱者であるクルト・レヴィンは人々の集まりである社会の変化に焦点を当て、グループダイナミクスの手法を開発しました。両者とも、当時のドイツの心理学と哲学から発展させたもので、ゲシュタルトグループプロセスはその二つを融合させたものです。
ゲシュタルト療法の原理とグループダイナミクスの実践を組み合わせた 「ゲシュタルトグループプロセス」の概念を説明した「Beyond the hotseat」の第1章(Elane Kepner著)を今回日本語に翻訳しましたので、是非、お読みください。 ゲシュタルトグループセラピー.pdf
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